「届かない手紙、運命的な不邂逅」

毎年冬が来ると、「寒いから年賀状を配らずに捨てた」という馬鹿が現れる。
世界でいちばん悲しいのは、届かない手紙だ。
年賀状程度ならまだましだけれど、

ひとは手紙というものに、とてもとても強い気持ちを、想いを、願いを込めて託して送る。

手紙が届かないことで、結ばれるはずだった恋人たちもあるかもしれない。

ひとが手紙が届くのを待つということは、なによりも純粋で綺麗な行為だと想う。


「待つ」ということは……。
待っていても、届かないことも、誰もこないことだって、あるんだ。
映画なんかでは、劇的に「運命的な出逢い」を描くけれど、

「出逢えないまま終わる」ことだって、あるんだ。

俺は、それが見えるんだ。

ポエトリーリーディングという行為をする人たちがいるけれど、
自作の詩って、聴いてすぐに理解できるような性質のものじゃないような気がするのに、
そういう活動をしてる人はすごく……、何て言うんだろう。わからない。