営業とかいう仕事
営業的な仕事がしてみたいと思うことがある。前の職場でも、保険の外交員?的なひとが職場に来て雑談がてら
いかがでしょうか?みたいなことを持ちかけてきていた。もともと、中年あたりの年代のひとたちと会話をするのが好きというか、
性分だ。あの病院にいたころも、中年だらけだったけれど、
仲良く会話していた。
甘い考えかもしれないけれど。
今、いろんなことを考えている。
仕事のこともそう。
前に書いたかもしれないけれど、
高校生の頃、ほどほどに仲が良かった奴がいて、
そいつは一言で言うと不良の範疇にはいるような奴だったんだけど、
そいつと一緒に学校から帰った帰り、橋桁の下でいろんなことを話したことを覚えている。そいつは俺に煙草をすすめたけれど、そのころの俺は煙草は吸わなかった。
そいつは、俺にいろんなことを話してくれた。夢のようなことを。
「タイに行きてえな。タイみたいな場所で、土にまみれて、畑を耕して生きるような生活をしてみてえな」
「トマイもそう感じたことないか?」煙草を吸いながら、俺にそいつはそう尋ねた。
そのころの俺は、そんなことは考えていなかったから、
そんなの考えもしないよ、と答えた。するとそいつは、「お前ならわかってくれると思ったんだけどな」と
少し淋しそうに話していたのを覚えている。俺はそんなこと想いもしなかったけれど、今、いろんな経験をしてきて、
会社なんかでもそう、どこにもまともに俺がやりたいことをやらせてくれる、
俺に役割を与えてくれる場所もろくにないことを知った今思えば、彼が言ったことの意味がすごくわかるような気がする。
泥にまみれてみるということ……。
俺にうちあけ話をしてくれた彼は、1年生の頃の半ばに、学校を辞めていった。
今、どうしているのかは、わからない。
合わせる顔がない。
ああ……。